季刊 政策・経営研究 2012 Vol.3 特集 エネルギー自治
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 2012年3月発行
内容
エネルギー自治の必要性と現状、そして将来への課題、p.1~10.
相川高信、阿部剛志、大澤拓人、浅田陽子、小川拓哉、高橋 溪谷、村上聡江
エネルギー自治と経済・産業構造ビジョン、p、11~32.
諸富 徹
地域におけるエネルギー自治と温暖化対策, p.33~49.
川島一真
欧州のエネルギー自立地域,p.51~71.
村上 敦
関西におけるエネルギー自治の可能性,p.72~82.
永井克治
再生可能エネルギー普及のための課題,p.83~91.
織田博嗣
エネルギー自治と地域再生,p.93~109.
広井良典
短評 本書では、「エネルギー自治」は、「住民福祉の、平時における向上および、有事における確保のために、地域自らがエネルギー需給をマネジメントし、コントロールできる領域を現実的なレベルで増やしていこうとする試み」と定義づけられている。
従来、再生可能エネルギーは、エネルギー問題あるいは地球温暖化問題の観点からなされてきたが、近年、地域振興あるいは地域再生等、地域の視点から捉えることが重要視されている。たとえば、わが国におけるこれまでの風力発電の導入状況を見るといっそう強く感じる。
再生可能エネルギーの促進を目指す立場からは、技術者も含め、「エネルギー自治」を意識しながら、導入を考えていく必要があろう。本書は、「エネルギー自治」を考えるための多様な視点からの論文が集められている。地方自治体のエネルギー関係者にも十分理論的背景を与えてくれると思われる。