毎日新聞2025年1月24日付朝刊総合4ページは『学術会議 特殊法人化 政府、法案提出へ 来年10月移行』と報じた。⇒政府は、説明ができず、かつ政府に都合の悪い法案に対しては、改正の趣旨を捻じ曲げて、当初の問題の「意識的すり替え」をしばしば行うが、この学術会議問題も、問題のすり替えされてしまったようだ。
⇒政府は24日召集の通常国会に、日本学術会議を2026年10月に現在の「国の特別機関」から「特殊法人」へ移行させることを柱とする法案を提出するという。成立した場合、学術会議は1949年の発足以来初めて、国の組織から分離した独立した法人になる。国が負担している現状年約10億円の運営費については国が財政支援を続ける。25年度当初予算案には12億円を計上している。学術会議の組織見直しは、20年に菅義偉首相(当時)が、学術会議から推薦された会員候補6名の任命を(全く説明をすることなく)突如拒否したことを発端に始まった。学術会議は拒否の理由を何度も質したが、菅元首相からは何の回答もなく、大学・学問・学術という言葉が特に嫌いなような三元首相(安倍・菅・岸田)が退陣後、文科省は得意の「問題のすり替え」を行った。政府は学術会議を「国の特別機関」から外したくて外したくてたまらなくなっており、正面から議論できずに、問題すり替えで長年のうっ憤を晴らしたのだ。菅元首相のポチ化した元文科相の族議員井上某が裏を取り仕切ったのだろう。 国というものはやり方が薄汚い。戦前から全く変わっていない体質だ。
国は10数年前から、国立大学全体の運営費交付金を毎年1%減額し、国立大学を疲弊させ続けているが、初年度は予算を例年より12億円と見かけ上、あげて、学術会議当面の反対論を押さえつけ、数年たてば、学術会議の運営費交付金を年々下げ、学術会議の活動を弱小化したいようだ。その結果は、わが国の国際的な研究力の低下につながっていくだろう。これは日本国民にとっては大きなマイナスだ。責任は挙げて目の前しか見えない「文科省」にあると言えよう。